年間計画:中学 I先生+T先生■新英語教育研究会 神奈川支部会報 No. 76 May7, 2000■4月例会報告 4月15日 大倉山記念館にて 参加者:9名 ●実践報告(中学):「私の年間計画-コミュニケーション能力の将来を拓くには」 ◆「原発プラント」を輸出するための英語ではなく、「地雷撤去」に使える英語もあるってことをI先生に教えていただけてうれしかったです。そういう英語を使いたいですね。 (1) 日本の今 日本経済のグローバル化で期待される「コミュニケーション能力」とは? ●昨年夏の第145通常国会で「周辺事態法」「国旗国家法」が成立 ?コンピュータを背負い、英語を操るサムライが星条旗の下で日の丸を額に巻き、君が代を口ずさんでアジア太平洋に乗り出すの図」(森田俊男「臨教審と日本人・日本文化論」1988) ●原発プラント・兵器の主要パーツに転用可能な製品を輸出する日本企業 例)台湾で第4原発建設(東芝・日立製作所・三菱重工) インドネシアで原発立地調査(関西電力) (2) 方針 ●「コミュニケーション活動」としては他の実践や教科書の活動例をアレンジしてやる。 (a) 『Total II』(秀文出版)職業名のカード12枚をプリントを切り取って作らせて… (1) グループで A: When I was a just a little girl, I wanted to become a dentist. How about you? B: I wanted to be a pilot. (2) 1人で12枚のカードを2枚ずつめくり、6通り30秒以内で He is a TV star now. But when he was just a little boy, he wanted to be a farmer. (3) 1人で12枚のカードを2枚ずつめくり、6通り1分以内で She is a beautician now. But when she was just a little girl, she wanted to be an actress. And if she still wants to be an actress, I hope her dream will come true. (先生の前でやってみせると1点。できない場合や合計6点取れた場合も棄権できる。できる生徒でわざと棄権すると「ありがとう。その分、時間助かるよ」と声をかけている) (b) 比較の練習:導入の華やかさで生徒を惹き付けるため、写真や絵を使用する。「どの絵が 一番美しいですか?」の時には、高校時代に描いたI先生の自信作を生徒に見せる (まことに素晴らしい絵でした! 生徒も納得していることでしょう) (c) 「弾丸インプット」「高速アウトプット」:「受動態」を10文(This radio is made in South Africa. / English is spoken in Singapore.) ・「コミュニケーション活動」としては他の実践や教科書の活動例をアレンジしてやる。 (3) 歌 ●共生のための諸課題に目を向ける場を別立てし、そこに英語の歌を置く。 (a) 歌 Simon&Garfunkel, Last Night I Had the Strangest Dream +「戦没慰霊碑」 「昨夜、変な夢を見た。戦争を終えることに世界が同意する、そして部屋では人々が調印し、外では人々が踊り、銃剣や軍服が投げ捨てられた」という歌の聞き取り穴埋めと和訳。 また日本の墓碑銘「頭部貫通銃創ヲ受ケ戦死」と日本で死んだ海外の兵士の墓碑銘「彼は歌いながら戦場へ行きました。若かったんです」「世界にとってあなたは単なる1人に過ぎませんでした。でも私には全世界でした」との比較。「日本の親は悲しまなかったのではなく、家で泣いていて、外では泣けなかっただけ」という事実を知らせ、「なぜ?」を考えさせる。 (b) 歌 If There Were No Mines とビデオ「地雷原からの報告」(日本ビデオニュース?) 地雷犠牲者のための歌。神保哲夫『地雷レポート』(1997)には、アメリカの反地雷運動にEメールのやりとりで、関わったことが書かれている。日本の報道番組「ニュースステーション」でのレポートを送付したところ、アメリカにある地雷メーカーの地元で反対運動につながったという。(こういう英語コミュニケーション能力を養いたいですね) ■参加者から出された感想 □ 高校・中学の年間計画を4本まとめて聞き、英語を教えることについて総合的に考えることができ、大変有意義でした。テーマ・メッセージが大切だと思う。その英文や単語は記憶に残るということで、Iさんの高速アウトプットはvery good ideaで、授業にメリハリがつくのではないか。 ●実践報告(中学):「私の年間計画 Total ?を使って」 ◆中学1年は希望に燃えて英語を始める学年です。まずは楽しくなくては! 家庭科とタイアップして、アップルパイを作るという実践では「英語って、楽しくておいしい」と生徒の心に焼き付いたのではないでしょうか? T先生の工夫ある年間計画です。 (1) 授業 ・ALTと年4回ティームティーチング ・英語通信『Mountain』で生徒の自己表現の作品を掲載 ・各課の内容・文法項目にあわせ「生徒の活動(クイズ・ビンゴ・スキット作り)」「歌」 「ALTとティームティーチング」を計画する (2) 年間計画 4月: Lesson 1 好きなものは? ・英語通信『Mountain』で生徒の自己表現 I like music. I like V6. (ジャニーズのグループ) 5月: Lesson 2 ・その日の新聞テレビ欄を使って『What do you watch?』インタビューゲーム 6月: Lesson 3 ・1~100の大カルタ取り。 7月: Lesson 3 ・学年集会で7月の歌「ドレミの歌」「エーデルワイス」を歌う。 9月: Lesson 4, 5 ・自己紹介の英作文 10月: Lesson 5, 6 ・友達の家に遊びに行く場面のスキット作り+発表。 ・ALTの写真をカラーで拡大コピーし、カナダの生活を知る 11月: Lesson 7 ・生徒の自己表現 Letユs ~. ・教師2名での授業に入る(後ろの生徒の声を授業の後に教えてもらうことも可。 自分の発言が取り上げられず「無視したよ」という生徒のつぶやきなども知る ことができる。このT2体制でさらに授業がしやすいとのこと) 12月: Lesson 8 ・プリント学習始める(B6ノート貼付で効率的に) 1月: Lesson 9 ・アップルパイを作ろう ・4人×9班で「紙を持っている人」「司会の人」「英語を言う人」「日本語を言う人 を決め、アップルパイの9工程を紙芝居で発表。 ・2時間続きにし、パイを焼く40分間はALTと料理関連の単語カードで学習。 2月: Lesson 10,11 ・障害を持つ歌手「レーナ・マリア」を紹介。 3月: Lesson 12 ・ALTの旅行の話をし、Wh-疑問文で問答。 ジャンル別一覧
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